1978 第1回 ローズジャック 牡5 阪本 泰之
1979 第2回 ハツマモル 牡4 福永 二三男
1980 第3回 カツアール 牡4 高橋 三郎
1981 第4回 アズマキング 牡4 岡部 盛雄
1982 第5回 コーナンルビー 牝4 堀 千亜樹
1983 第6回 トラストホーク 牡5 高橋 三郎
1984 第7回 スズユウ 牡6 石川 綱夫
1985 第8回 ロッキータイガー 牡4 桑島 孝春
1986 第9回 トムカウント(船橋) 牡7 石崎 隆之
1987 第10回 テツノカチドキ(TCK) 牡7 佐々木 竹見
1988 第11回 チャンピオンスター(TCK) 牡4 桑島 孝春
1989 第12回 フェートノーザン(笠松) 牡6 安藤 勝己
1990 第13回 オサイチブレベスト(JRA) 牡6 丸山 勝秀
1991 第14回 チャンピオンスター(TCK) 牡7 高橋 三郎
1992 第15回 ラシアンゴールド(JRA) 牡4 蛯名 正義
  (1着同着) ナリタハヤブサ(JRA) 牡5 横山 典弘
1993 第16回 ハシルショウグン(TCK) 牡5 的場 文男
1994 第17回 スタビライザー(JRA) 牡6 柴田 善臣
1995 第18回 ライブリマウント(JRA) 牡4 石橋 守
1996 第19回 ホクトベガ(JRA) 牝6 横山 典弘
1997 第20回 コンサートボーイ(TCK) 牡5 的場 文男
1998 第21回 アブクマポーロ(船橋) 牡6 石崎 隆之
1999 第22回 メイセイオペラ(岩手) 牡5 菅原 勲
2000 第23回 ファストフレンド(JRA) 牝6 蛯名 正義
2001 第24回 マキバスナイパー(船橋) 牡6 ケント デザーモ
2002 第25回 カネツフルーヴ(JRA) 牡5 松永 幹夫
2003 第26回 ネームヴァリュー(船橋) 牝5 佐藤 隆
2004 第27回 アドマイヤドン(JRA) 牡5 安藤 勝己
2005 第28回 タイムパラドックス(JRA) 牡7 武 豊
2006 第29回 ?


第1回から第8回までは2800mで施行。
第9回より中央競馬招待競走として施行。
第18回から指定交流競走、第20回から統一GT格付。


Welcome to the
Absolute Dirt Field.

農林水産大臣賞典
第29回 帝王賞GT(南関東G1)
29th Running the Tei O AWARD
6月28日(水) TCK(大井競馬場) ナイター 2000m外・右
サラブレッド系4歳以上9歳以下 1着賞金8000万円
負担重量 牡馬57kg、牝馬55kg
フルゲート16頭 (南関東8、他地区3、JRA5)


帝王賞とは――?
 帝王賞は1978(昭和53)に創設された。
 当時は距離2800m、1着賞金2500万円で、東京大賞典の3000m、3500万円に対して、少しだけ格の低いタイトルとしてスタートしている。創設の意図としては、JRAの春の天皇賞及び宝塚記念を意識していたことと、「強い馬=長距離馬」という往年の思想が影響していたのだろう。
 というわけで、第8回までは、少ない頭数ながらも非常に内容の濃い闘いが展開されていた。
 だが、第9回からは、中央と大井で1年交代で行われていた招待競走を受け継ぐカタチで、距離が「ダートのチャンピオンディスタンス」であるところの2000mに短縮され、JRA及び他地区の馬も出走可能になった。
 これにより帝王賞は「ダート日本一決定戦」として競馬ファンの間に認知されることとなった。さらにその後、冬季休催のある地区を考慮して、開催時期も4月から6月に改められることとなった。
 ところが、近年は東京大賞典が同距離になったり、JCダートが創設されたり、さらにJBCクラシックなんてのが出来たりして、いまひとつ説得力と存在感が薄れてしまったような気がする。
 っていうか、どれが一体、ダート路線のチャンピオンを決めるレースなのか、もはやわけわかりません(まあ、普通に考えれば、JCダートにその位置を持っていかれたってことだよなぁ……)
 ねえ、だからさあ、帝王賞か東京大賞典を2800mに戻そうよ〜。

出走予定馬(6.27現在)
カッコ内は、騎乗予定の騎手。

JRA所属
カネヒキリ(武豊)、サイレントディール(岩田)、タイムパラドックス(安藤勝)、マイネルボウノット(後藤浩)

NAR南関東+他地区所属馬

天が呼ぶ、地が呼ぶ、砂が呼ぶ、雷神倒せと俺を呼ぶ
アジュディミツオー Adjudi Mitsu O
牡5歳・鹿毛 船橋:川島 正行厩舎 17戦9勝 (内田 博幸)
父・アジュディケーティング 母・オリミツキネン 母の父・ジヤツジアンジエルーチ
2005NAR年度代表馬 2004NAR最優秀サラブレッド系3歳馬
主な勝ち鞍……’06年川崎:川崎記念GI=2100m、FRT:かしわ記念GI=1600m、TCK:マイルグランプリ=1600m、’05年TCK:東京大賞典GI=2000m、’04年TCK:東京大賞典GI=2000m、東京ダービー=2000m、FRT:東京湾カップ=1800m

 東京ダービーを逃げ切った時も、ここまでの活躍をすると思わなかった。
 日本テレビ盃、JBCクラシックで惜敗の後、迎えた暮れの大一番・東京大賞典で、雪が舞う中、鮮やかなまでの完勝劇。
 その後は、地方所属馬として初となる海外遠征に挑戦、世界最高賞金レースDWCで6着に入り、昨年暮れの東京大賞典でも鮮やかな勝利で飾り、念願のNAR年度代表馬の座も手に入れた。
 今年は、国内戦に専念。フェブラリーステークスこそ出遅れがたたり敗れたものの、川崎記念、かしわ記念では見事に中央勢を撃破。
 当然ここも地方所属馬の中では、最有力候補の扱いとなる。それだけにマークが集中してしまうのは
 今回は、それ以来、約半年振りのレース。
 期待は大きくなるばかりだが、今後のことを考えると、今回は叩き台と考えていた方が良さそう。それでも勝つ可能性は高いし、興行的にも勝ってもらわないと主催者もツラいところだろう。


甦った2歳チャンプ
エイシンチャンプ Eishin Champ
牡6歳・鹿毛 TCK小林:堀 千亜樹厩舎 36戦5勝 (戸ア 圭太)
父・Mi Cielo 母・Eishin Michigan 母の父・Manila
主な勝ち鞍……’06年TCK:大井記念=2600m、’03年JRA中山:報知杯弥生賞GII=芝2000m、’02年JRA中山:朝日杯フューチュリティーステークスGI=芝1600m

 2歳の夏にJRAで華々しくデビュー。3戦目で初勝利を挙げている。
 そして暮れには朝日杯を制し、GIホースとなる。
 翌年も弥生賞を制し、クラシック戦線でも堂々の主役候補となり、JRA皐月賞3着の後、期待されて迎えたJRAダービー東京優駿だったのだが、ここで10着に敗れたのが、迷走の始まりだった……。
 半年の後、復帰するも怒涛の連敗活動に突入。気が付けは、3年の月日が経過。追われるように小林・堀厩舎にやって来たのが、この春のこと。転入緒戦3着の後、迎えた前走・大井記念でボンネビルレコードとの叩き合いを制し、久々の勝利。勇躍、大舞台への参戦となった。
 深いダートにも適性を見せてはいるが、この強力メンバー相手になると、どこまで食い込めるか?ただ、未知数な部分も残っているだけに、狙ってみるのも面白い一頭。


小さなことからコツコツと
エルマタドール El Matador
牡8歳・鹿毛 笠松:小森 勝政厩舎 77戦10勝 (島崎 和也)
父・エルジェネシス 母・ビアヴィバーチェ 母の父・リヴリア

 年明け以降の成績を見る限りでは、馬場掃除するのも四苦八苦しそうな雰囲気。
 まあ、出走さえすれば、理論上では勝つ可能性が決してゼロではないわけだし……。


茨城産の星
クールアイバー Cool Ivar
牡8歳・鹿毛 TCK小林高蛛@恒男厩舎 64戦10勝 (森下 博
父・ミスターシービー 母・アビニヨン 母の父・ラプシイ

 世にも珍しい茨城県産馬。
 堅実な走りで徐々にクラスを上げ、南関東地区のオープン戦線に名乗りを挙げたまでは良かったが、未だ重賞勝ちは無し。それどころか1年半ほど勝ちからも見放されている。前走・大井記念も前2頭からは離された3着。
 いかにも力不足の感じで、、夏以降に悲願の初タイトル奪取に向けて、まずは無事完走を果たしたい。


その力を希望に変えて
ケージーチカラ K.G.Chikara (写真)
牡6歳・栗毛 TCK大井:朝倉 実厩舎 32戦10勝 (早田 秀治)
父・アフリート 母・ビソアスイート 母の父・モガミ
主な勝ち鞍……’05年TCK:大井記念=2600m

 明け3歳の2月にJRAでデビュー。ダート1200mの3歳新馬戦をきっちり勝利している。
 その後もダート戦中心に使われてきたが、笠松の交流戦での1勝を挙げたのみで、一昨年夏にTCKへ転入。そこからいきなり5連勝、2着と3着を挟んで、準重賞を勝利して、あっという間にオープン戦線に登場。そして迎えた大井記念では、馬場の七分どころから差し切るという、およそTCKではあり得ない競馬で、ダート長距離戦を制している。このあたりは、アフリート産駒の真骨頂といったところか?
 だが、その後は、今一歩の成績が続いているだけでなく、やや順調さにも欠いている様子。
 ここで少しでも見せ場を作って、夏以降に繋げたい。


ここからオレの時間だ。
コアレスタイム Coreless Time
牡8歳・鹿毛 船橋:川村 昭男厩舎 37戦4勝 (石ア 駿)
父・ワカオライデン 母・コアレスドール 母の父・ブライアンズタイム
主な勝ち鞍……’06年FRT:船橋記念=1000m

 2歳の春にJRA福島でデビュー。当初3戦は芝を使われていたが、4戦目からは、ダートでの戦いとなり計3勝。長期休養を挟んで、昨年夏から船橋所属として走っている。
 転入後は3連続2着を始め、なかなか勝ちきれないレースが続いていたが、転入8戦目、今年1月の船橋記念で9頭立て6番人気の評価ながら、カセギガシラをハナ差だけ抑えて南関東初勝利、そして初タイトル獲得となった。その後も東京シティ盃5着、アジュディミツオーには千切られたもののマイルグランプリは2着、さらにかきつばた記念3着(0.1秒差)、さきたま杯5着(0.4秒差)と、JRA勢を相手にしても、決してヒケを取らない走りを見せている。
 だが、いかにも2000mは長い印象。秋以降への試金石となりそうな一戦。


しっかりと着実に
ティーケーツヨシ T.K.Tsuyoshi
牡6歳・鹿毛 川崎:八木 正雄厩舎 49戦5勝 (酒井 忍)
父・タヤスツヨシ 母・ラークスマイル 母の父・ノーザンテースト
主な勝ち鞍……’03年戸塚記念=2000m

 2歳の7月に川崎でデビュー。
 5戦目で初勝利を挙げ、その後もJRA遠征を含め堅実な走りを続け、3歳初秋の戸塚記念では見事重賞初制覇。
 その後もオープン戦線に食い込んではいるのだが、あと一押しが足りない印象。
 どさくさ紛れに掲示板に乗れれば上出来だろう。


この地上で誰よりも速く
ボンネビルレコード Bonneville Record
牡4歳・鹿毛 TCK大井:庄子 連兵厩舎 17戦4勝 (的場 文男)
父・アサティス 母・ダイワスタン 母の父・マルゼンスキー
主な勝ち鞍……’05年TCK:黒潮盃(全国交流)=1700m、東京記念=2400m

 黒潮盃、そして古馬相手に東京記念まで制し、密かに期待を寄せられていた東京大賞典だったのだが、力の差は思いのほか、大きかったようで……。
 年明け緒戦の金盃も9着と完敗、続くグリーンカップでも1番人気を裏切り8着と殆ど良いところなし。前走・大井記念でエイシンチャンプに敗れはしたものの2着に入り、復調の兆しを見せている。
 が、いくらなんでもここで多くを求めるのは酷というものだろう。但し、今後のことを思えば、ここで見せ場の一つでも作っておきたいところ。


雪の魔王
ヤマノブリザード Yamano Blizzard
牡7歳・青鹿毛 佐賀:川田 孝好厩舎 39戦6勝 (北村 欣也)
父・タイキブリザード 母・モガミオージー 母の父・フアルコン
主な勝ち鞍……’01年JRA札幌:札幌2歳ステークスGIII=芝1800m

 2歳の5月に道営競馬の認定新馬戦でデビューし、これに勝利。その後、連続3着の後、JRAへ遠征。クローバー賞を初芝をものともせず勝利すると、続く札幌2歳ステークスも勝利し、「道営競馬にヤマノブリザードあり」を多くの競馬ファンに印象づけることとなった。
 その後、地元での2着を挟んで、JRA美浦の名門・藤沢(和)厩舎へと転出。転入緒戦のGI朝日杯FSでアドマイヤドンを相手にタイム差無しの2着に入り、後の活躍を誰もが予感していたハズだったのだが……。
 JRA所属として、4年と2ヶ月。
 その間、2度の転厩をしながら30戦して1勝のみ。
 そして、今年2月を最後に戦いの場を九州は佐賀に移し、ここまで3戦2勝。ただし、相手関係などを考慮に入れると、ここではいかにも苦しいと言わざるを得ない。
 入着できれば、今後への展望も開けてこよう。


一応の展望――

 JRAからは、UAE帰りのカネヒキリの他は、東京大賞典や川崎記念でアジュディミツオーの前に無様に敗れ去ったタイムパラドックス、前走のオープン特別を勝つまで約1年勝ち星が無かったサイレントディール、ダートグレードは勝っているものの、ちょっと壁にぶつかり気味のマイネルボウノットが参戦。これを迎え撃つアジュディミツオーが、馬券作戦の上では中心になる。
 実質5頭立てといわれてしまいそうだが、少ないながらも南関東勢もそこそこのレベルを維持できそうなメンバーを送り出せたのは何より。