ボクが埋め立てに反対する理由。


 現在、江東区の有明北貯木場跡では、埋め立て計画が進行しています。が、これに対して、反対運動もここに来て活発化しています。
 3月7日には、東京湾で遊漁業者を中心に大規模な水上デモもありました。
 聞くところによると、そこは別名「十二万坪」と呼ばれ、ハゼの好漁場だそうで、週末には仕立て船が多数来て賑わっているようです。
 東京都としては、4月には埋め立てを開始するつもりでいるようですが、少々待っても良いのではないでしょうか。
 「海の男」を自称する都知事のことです。自分のお住まいになっている近所が、有明と同様の理由で埋め立てられる、などという計画が持ち上がろうものなら、建設省に怒鳴り込みにあがるでしょうに。
 私がこの計画に反対するのは、決して自然や文化を守れ、などというインテリチックな理由からではなく、近隣に住む人々(恐らく江東区の特性から云って、所得が高い層とは云えないです)の為の大切な遊び場を、考えなしに壊してしまうことに率直な怒りを感じるからであります。
 折しも、日本における経済及び労働における構造の変化により、所得などの二極文化がこれから顕著になっていくことが予想されるわけです。そうなると、「カネのかからないレジャー」の代表格であるところの「釣り」が俄然クローズアップされてくるわけです。実際に有明近辺では、不景気が加速度的に進行して行く中で、岸から釣り糸を垂らしている人々をよく見かけるようになりました。
 これを見るにつけ、貯木場跡を埋め立てるということは、自然環境や文化の損失だけでなく、多くの善良なる釣りを楽しみ人々や近隣住民の精神的荒廃を促すのでは、と危機感を抱いているのです。
 といういわけで、管理者は、有明北貯木場の埋め立てには反対するのです。

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